夏野菜の話

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身近な夏野菜は見慣れた存在ですが、
読んで見ると意外に知らぬことも多いかも。

見なれた野菜の、いつもと違う面をみつけたら、
今日はどんな料理が作りたくなるでしょう?

レタス キュウリ ナス

トマト オクラ エダマメ

レンコン

レタス 

 

n         レタス (旬:初夏)

1.玉チシャとも呼ばれ、淡い緑色で球形をしています。

 

2.レタスの仲間には、

    葉が柔かい花のように開いていて、濃い緑色をしているサラダ菜、

  葉先が赤みがかったサニーレタスなどがあります。

  いずれも一年中出回っていますが、旬は初夏です。

3.お買い物ヒント!

  葉に艶があって、みずみずしく、綺麗な色をしていて、

  巻きがしっかりとしているもの。

  株がしっかりとしているものが良い品です。

 

  根元の切り口が茶色に変色しているものは、古いものです。

 

  保存温度は、0〜1℃ 湿度90〜95%のチルド室がベスト。

 (湿度が補えない場所では、濡れた新聞紙やビニール袋を活用)

 

4.サラダ菜・リーフレタス・サニーレタスは、

   レタスに比べて、ビタミンA・C・K、カリウムに富んでいます。   

5.食べ方のヒント

  いずれも癖が少ないのでサラダに適しています。

  サニーレタスは、ややほろ苦さがあります。

 

  レタス類を加熱調理するのも美味しい食べ方の一つですが、

  例えば、かに玉スープに入れる際には、入れたら直ぐに皿に入れて、

  即、食べた方が、触感も味も美味です。

 

  炒め物も、最後の最後に加え、混ぜる程度で火から下ろした方が、

  美味です。

 

  酢飯にシソのみじん切りを加え、それをレタスの上に乗せ、

  お好みの具を中心に巻いて召し上がるのは、

  お洒落で美味しい食べ方なので、ホームパーティにもピッタリです。

 

 (しゃぶしゃぶした薄切り肉を氷水にとり、ポン酢につけて、

  それをレタスと御飯の中心に巻くのは、美味しくてお勧めです!)

 

6.下ごしらえのポイント

  ■レタスをはがすには

  レタスやサラダ菜は金気を嫌いますので、サラダなど生で召し上がる際には、

  なるべく包丁を使わず、手でさばくようにします。

 

 @まず芯のところに包丁を入れてくり抜きます。

 Aくり抜いたところに流水を勢いよくかけ、水圧で、巻きをゆるめて、

  外側から1枚づつはがしながら洗ってゆきます。

 Bこれを冷水に浸し、パリパリになるまで水上げさせます。

 C乾いた布巾にレタスを包み、四角を持って上下に強くふり切って

 (4〜5回くり返す)水気を切ります。

 

  更に新しい布巾に包み直し、布巾の重ね目を下にして皿に乗せ、

  冷蔵庫に入れて冷やします。

 (こうして短時間冷やすと残りの水滴が葉に吸収され、

  更に歯切れがよくなり、生食するのに美味しくなります) 


キュウリ 

ネギ

■ キュウリ 胡瓜(旬:夏)

1、夏の日差しを浴びて育ったものが一番美味しいものです。   

2、普通のキュウリには皮の表面に白っぽいものと、緑の濃いものとがあります。

   白いものは皮も肉質も柔らかです。

   緑のものは皮も肉質もやや堅いもので、保存漬等にはこちらが適しています。   

3、花丸キュウリ

  実が3cm位になった頃、花をつけたまま、もぎ取ったもの。

  刺身のつま等に使います。

 

4、もろキュウ 

   花丸キュウリが、もう少し育ち、花が落ちた頃のキュウリのこと。

   酒の肴や、前菜に、味噌を添えて用います。

5、ピクルス用のキュウリ

  通常のキュウリとは別種で、5cm位にしか育たないもの。

 

5、お買い物ヒント!

  新しいキュウリはイボが堅くて触ると痛いほどです。

  形はすんなりとしたもの、皮の色に余り差の無いものが良いもの。

 

  成り口の方に苦味のあるものがありますが、この苦味は無害です。

  苦味の有る無しを外見で見分けるのは殆ど無理です。

 

  保存温度は、4〜10℃ 湿度85〜90%の野菜室がベスト。

  (保存する際には、剥き出しはお勧めしません)

 

6、栄養成分

  成分の殆どが水分で低エネルギー。

  カリウムが豊富。

、食べ方のヒント

  生をそのままサラダ、酢の物、和え物、漬物などにして、

  独特の味と香り、歯ざわりなど清涼感を味わいます。

 

  その他、洋風のスープ煮、中華風の炒め物、蒸し物にしても美味。

  汁物のあしらい等にしても彩りの良いものです。

 

、下ごしらえのポイント

■ 板ずり・・・生で食べる時、キュウリの持ち味と青みを出します。

  キュウリを洗い、まな板に乗せ、その上に塩(キュウリの1〜2%)を振り、

  手の平で転がすようにして、キュウリの表面を塩で磨きます。

 

■ パリッとさせるには

  サラダ等に使う為にはパリッと仕上げたいもの。水上げをしましょう!

  切ったキュウリを冷水(出来るだけ氷水)に漬けて少しおき、

  布巾に取って水切りし、布巾のままボールに入れ、冷蔵庫の下段で冷やす。

  こうすると、十分に吸水してパリッと仕上がります。

 

■ 種を取るには

  詰め物(オードブル等でよく作られます)する時や、

  太くて種の多い物などは、種を取って使います。

 

  ボート型:縦半分に切り、ティースプーンで掻き出す。

 

  キュウリを姿のまま使う時:

   スプーンの柄の方を種にそって差し込み、

   キュウリを回しながら取る。

   (構造上、この時は、真っ直ぐなキュウリを選んで下さい)


ゴボウ

ナス 

 

n         ナス (茄子) 原産地:インド

  旬:7〜9月(ビニール栽培は1年中)

  アクがあるので、切ったらすぐ、水に入れて抜きながら作業。

 

1、9月に出回る秋ナスが美味とされています。

 

2、通常で「ナス」と呼ばれるものは、

  「真黒(しんくろ)ナス」です。

 

3、「長ナス」は、細長いもので、

  関西に多く栽培され、皮が柔かいのが特徴。

  煮物、炒め物に向きます。

 

4、「加茂なす(かも)ナス(賀茂なす)」は、

  丸くて大きく黒っぽい紫色をしており、

  「巾着(きんちゃく)ナス」とも呼ばれます。

  身が柔かで風味が良く、煮物や田楽に。

  賀茂ナスは京都、巾着ナスは新潟が有名。

 

5、「米ナス」は、「洋ナス」とも呼ばれ、

  ナスの中で一番大きな種類です。

 

  風味は乏しいのですが、焼く、揚げる等、

  特に油を使う方法で料理すると美味しいです。

 

  通常のナスのヘタが紫色なのに対し、

  米ナスのヘタは緑色。

  果皮が、通常よりも濃紫色。

 

6、「小ナス」は、

  「一口ナス」、「もぎりナス」等とも呼ばれるほど小さくても、

  皮の堅いナスです。

  漬けものに使ったり、姿を生かして天ぷら等に使われます。

 

7、お買い物ヒント!

  どの種類も、

  皮がつやつやして、ヘタのトゲがとがっているものが新鮮。

 

  普通のナスは、

  「小ぶり」の方が実がしまっていて、中の種も少なく美味。

 

  保存温度は、4〜10℃ 湿度85〜90%の野菜室がベスト。

  (保存する際には、剥き出しはお勧めしません)

 

8、ナスの栄養

  成分の殆どが水分、炭水化物。カリウムも豊富。

  皮の紫色はアントシアン系色素。

 

9、食べ方のヒント

  焼きナス、田楽、漬物、煮物などもありますが、

  油を使う料理が特に合い、大変美味です。

  焼いたナスにミートソースをかけてグラタンにしたり、

  天ぷら、フライ、炒め物、バター焼き、天火焼き、

  シチューなど、幅広い料理方法で楽しめます。

 

10、下ごしらえのポイント

■ ガクをきれいに取るコツ

  包丁の先をガクの中ほどにあて、ナスの方を回して、

  ガクのヒラヒラの部分を切り取ります。

 

■ アク抜きするには

  ナスはアクが強いので、切ったものをそのままにしておくと、

  切り口が変色してしまいます。

 

  アクがあると、火を通したとき、

  ナスの皮の紫色がとんで汚くなりますので、

  必ず、アク抜きします。

 

  切り口を水に漬けて水が茶色っぽくなるませ晒します。

 

  切り口が両面にある時、浮いてくるので、

  落し蓋をして、切り口が空気に触れないようにします。

 

■ 煮物に使うときは

  ナスの皮は堅いので、なかなか味を含みません。

  皮目の方に斜め格子に粗く切り込みを入れておきましょう。

 

■ 茶せんナスの作り方は、

  小ナスのガクを取り、底を少し残し、

  包丁の元刃を使って5mm間隔に縦に、

  ガクに向かって、切り込みを入れ、

  お抹茶を立てる、茶せんの様な形に仕上げます。

 


ニンジン

トマト 

■ トマト 旬7〜8月 赤色はカロチンではなくリコピン

1、トマトの種類

  果肉が赤くて酸味の強い赤色種、

  果肉が淡い赤色をして酸味の少ない桃色種、

  黄色い果肉の黄色種。

 

  生食用には桃色種。クセが無いので一番適しています。

 

  この他、ピンポン玉くらいの大きさのミニトマトがあります。

 

2、お買い物ヒント!

  全体に丸みがあり、

  でこぼこしたり、赤みにムラのないものが美味しい。

  

  ヘタは緑でピンとしているものが新鮮。

 

  生で食べる時は、熟しきったものより、

  ややヘタの部分に、青みの残っているくらいのトマトが美味しく、

  シチューやソースに使う時は、

  ヘタのところまで真っ赤に熟したものが美味しいです。

 

 保存温度は、10〜15℃ 湿度85〜90%の室内がベスト。

  (長く保存する際には、剥き出しはお勧めしません)

  

3、栄養成分

  トマトは赤いので、カロチンがあり、

  ビタミンAを沢山含むように思われがちですが、

  トマトの赤色はリコピンと言って、

  体内でビタミンAに変わるカロチンではないので、

  見た目ほど大量のビタミンAは含みません。

 

  ニンジン 100g中 1500μg

  ほうれん草100g中  700μg

  トマト   100g中   90μg

  ミニトマト 100g中  160μg

 

  しかし、ビタミンCは、

  中1個で夏ミカン1/2個分に相当するくらい含みます。

 

  夏ミカン 100g中 38mg

  トマト   100g中 15mg

  ミニトマト 100g中 32mg

 

4、食べ方のヒント

  生食する際は、よく冷やして食べると美味しいです。

  輪切り、櫛切り、角切り等にしてサラダ、

  中をくり出してカップにし、サラダを詰めたり、

  ミニトマトでカップを作り、詰め物をしてオードブルの一品にしたり、

  サンドイッチに挟んだり、モッツァレラチーズと交互に重ね並べたり、

  中華の炒め物料理を中央にして皿の縁に、半月スライスを飾り並べたり、

  生のままでも幅広く愉しめます。

 

  また、シチュー、スープ、グラタン、ミートソース、ピザ、

  トマトとナスの重ね焼き、スパゲッティなど等、

  加熱する料理の幅も広く楽しめます。

 

  熟したトマトが沢山ある時は、トマトソースを作って保存するのも手です。

  トマト料理には、

  オレガノ(私見ですが、オレガノは、粉よりホールの方が苦くなく美味です)

  が入ると、一層美味しくなりますので、是非、お試し下さいませ。

 

5、下ごしらえのポイント

 

■ 湯むき

  トマトの皮をきれいに剥く方法に、湯むきがあります。

  @ヘタを下にして穴ジャクシに乗せ、

   煮立った熱湯に1〜2秒潜らせます。

  Aすぐに冷水に取り、上部から剥くと、

   薄皮だけが、きれいに剥けます。

 

  *手早くする事が大事で、火を通し過ぎると中まで煮えます。

   この方法はサラダのように、生で食べる料理にはむきません。

   剥くトマトの量が多い時に適しています。

 

■ 火むき

  湯むきは、お湯も必要だし時間がかかって面倒!な方へ。

  *剥く量が多い時には、湯むきの方が短時間で出来ます。

 

  @トマトのヘタの部分にフォークを刺します。

   (半分の際にも、それらしい部分に刺します)

  Aガスの火で、皮目にだけ当たるように、

   満遍なく、火に当て(皮が焦げても大丈夫です)、

 

   皮がパリッと割れたら、

   フォークを刺したまま水道の蛇口下に移動し、流水に当てます。

 

   皮のはじけた部分から剥くと、簡単に向けます。

 

■ 種の上手な取り方

  サラダやソース、ドレッシング等にトマトを使う時、

  種があると酸っぱくなり、仕上がりも汚くなります。

  (舌平目のデュグレレ風という素晴らしく美味しい、トマトが入る料理も、

   種が入ると、途端に不味くなります)

 

 @トマトを横半分に切り、指で内側をなでるように取りだします。

  箸でえぐり出すのも良いです。

 A水で中をよく洗い、種を残さないようにします。

 

■ トマトカップの作り方

 @上部を1/4くらいに切り落とし、

  種をスプーンでくり抜きます。

 

 A底になる部分を、座りがよくなるように、

  軽く削ぎます。

 

 *おもてなしに使う際には、必ず、

  大きさの揃ったトマトを使いましょう。



ハクサイ

オクラ 

 

■ オクラ 旬:7〜8月 

1、若い実を食用とする。

  横に切ると、切り口は5角形の星型に。

  粘り気があり、糸を引く。  

 

2、お買い物ヒント!

  5〜6cmくらいのものが柔らかで美味しく、

  8〜9cmくらいになるとサヤが堅くなって味が落ちます。

  サヤが瑞々しくて傷のないものが良いものです。

 

  保存温度は、4〜10℃ 湿度85〜90%の野菜室がベスト。

  (保存する際には、剥き出しはお勧めしません)

 

3、食べ方のヒント

  さっと茹でて おひたし、和え物、酢の物、汁物のあしらいに。

 

  生のまま刻み、削り節と醤油を混ぜてオクラ納豆など。

 

  天ぷら、フライ、フリッター、バター炒めなどにしても、

  美味しいです。

 

4、栄養成分

  カロテン、ビタミンB1、C、カルシウム、鉄を含み、

  整腸作用のあるペクチン、蛋白質の消化吸収を助ける

  ガラクタンなどを含みます。

 

5、下ごしらえのポイント

 

■ 1%の振塩をし、軽く揉み洗いし、産毛を取り、

  水分をよく拭取って小口から刻みます。

  サヤが大きい物は縦に筋を取ります。

 

■ 下ゆでのポイント

  オクラは、鮮やかな緑の色を珍重するもの。

  1%の振り塩をし、熱湯にサッと通して、

  緑の色が冴えたところで冷水に取って冷まし、

  水気を拭取ります。

 

■ 揚げ物に使う時は

  ガクの回りは堅いので削ぎ取り、

  軸は短く切り落とし、

  水洗いして産毛を取り、

  水気をよく拭取ります。

 

  次に縦に一本切り目を入れると、

  皮が破れません。


クワイ

エダマメ 

■ エダマメ 旬:7〜9月

 

1、エダマメは、枝つきのまま収穫した大豆の若い豆で、

  5月から夏の終わりまで出回っていますが、

  7〜9月が最盛期。

  

  栽培物は1月頃から出回っており、

  また、冷凍品は一年中あります。

 

2、お買い物ヒント!

  枝についているもので、

  枝の先についている葉が生き生きしているのが新しいものです。

 

3、栄養成分

  蛋白質に富み、

  炭水化物、脂質、カルシウム、ビタミンB1,B2、鉄が多い。

  大豆にはないビタミンCも含む。

  

4、面白いので調べてみては?

  冷凍品の大部分は国産ではなく、輸入品です。

  東北には、だだちゃ豆と呼ばれる美味しい品種があります。

  産地には、それぞれ深いこだわりがあり、

  価格もそれぞれ違います。  

  

  また、だだちゃ豆を使った「ずんだ」も東北では有名です。

 

5、食べ方のヒント

  枝からサヤを取り、塩茹でにしてビールのおつまみに。

  豆を出して、すり潰し、ずんだ和えや、すり流しにしたり、

  炊き込み御飯にします。

  剥き実を彩りにして、椀だね、吸い口、飾りにするのも良いです。

 

6、美味しく茹で上げるポイント

 @サヤを枝からハサミで摘み取り、

  もみ洗いします。

 

 Aサヤの両端をハサミで切り落とします。

 

 A2%の振り塩をして、全体にまぶし、

  7〜8分置きます。

 

 Bたっぷりの熱湯に入れ、

  緑色の冴えるまで茹でて、ザルに上げ、

  団扇などで扇いで冷まします。

 (出来るだけサヤが重ならないようにして)

 

*冷凍品を茹でる時には、

 凍ったまま、たっぷりの熱湯に入れ、

 さっと茹でて、

 後は、生物と同様、扇いで粗熱を取ります。


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