春野菜の話

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身近な春野菜は見慣れた存在ですが、
読んで見ると意外に知らぬことも多いかも。

いっぱい召し上がって、口から全身に、
春の恵みを取り入れてみてはいかがでしょうか?

新タマネギ 新キャベツ アスパラガス

グリンピース タケノコ ワラビ

タマネギ

新タマネギ 

 

n        新タマネギ

  通常、タマネギは保存がきくので一年中出回っていますが、夏が収穫期。

  扁平形と球形のものがあり、球形の方が保存がきき、味も優れています。

  

  5〜6月の春頃に出回るものを新タマネギといいます。

  これは辛味が少なく甘味を多く感じ、肉質も柔らかいので、生食向きです。

  これより早く出回るものに葉つきのタマネギがあります。

  これも甘味があって生食用に美味しいものです。

  また、葉の部分はネギの代用になります。

 

  タマネギ特有の香りと辛味は食欲を刺激する効果がありますが、

  これは硫化アリルという物質によるものです。

  

  タマネギは、一度切断するなどの加工を加えることにより、

  タマネギ自身が持つ酵素が働き、

  催涙性物質などを生成し血小板凝集抑制作用を発揮します。

  (つまり、玉葱を食べると血液の流れがよくなります。

       でも切らない調理方法だと、食べてもその効果なし!) 

   

   タマネギの歴史は古く、紀元前5000年に、南バビロニアのカルディア王国や、

   紀元前4000年のエジプトでは、祝日にはタマネギを神に捧げたと言われています。

   古代ギリシアでも戦争の際、兵士はパンと共にタマネギを持参したといわれています。

   解明されていなくても、薬効成分がタマネギに含まれている事を知っていたのでしょうか。

  

  せっかくの薬効成分を有意義に食べるため、

  是非、是非、涙をこらえて、タマネギのスライスやみじん切りに挑戦して、

  それで今夜は美味しい料理を作って下さいませ!

  

  「生」で食べる時には、水晒しの必要のない、春が旬の新タマネギが、

  薬効成分を流さずに食べれて優れています。

  

お買い物ポイント!>

  堅くしまっているものがよい品で、

  芽の出ているものは中が腐っていることがあるので避けましょう。

 


新キャベツ 

新キャベツ

■ 新キャベツ

  新キャベツと言われるものは、3〜5月にかけて出回るもので、 

  つぼ高で葉が緑がかって、柔かいものです。

 

お買い物ポイント!>

  新キャベツは巻きがゆるいので、葉や切り口が生き生きしているものがよいです。

 

栄養ポイント!>

  大きめの葉を二枚、生で食べるとビタミンCが一日に必要な量の半分はとれますが、

  千切りにして、水に晒した場合には流れてしまいます。

  栄養素の流出を避ける為に、千切りにする前に洗った方が良いと思います。

 

食べ方・・・>

  沢山食べるのなら、生より、軽く火を通した方が断然、量が食べられます!

  生でばかり食べずに、サッと簡単に料理して下さると嬉しいです。

 

  テレビの影響で、毎日、同じ、電子レンジにかけて、酢をかけて、と、

  召し上がり続けている方々もいらっしゃいますが、

  「美味しいから食べたい」と思えるように、色々な方法で召し上がってみて下さい。

 

  肉野菜炒め、お好み焼き、ポトフ、ロールキャベツ、餃子、タンメン等々、

  キャベツには様々な料理方法があったと思い出し、美味しく沢山召し上がって、

  良い体を育て続けて下さいませ。

 

下ごしらえポイント>

 ★ロールキャベツのように、一枚づつ分離させたい時

  根つきの堅いところだけを包丁を入れて深くえぐり取り、

  ボールにたっぷり冷水を入れて中で上下にゆすると、水圧で外葉からはがれ易くなります。

 

 ★千切り

  中央の太いところ(葉脈)を切りおとし(一枚の葉を中央から二枚に切り分け)、

 その二枚を重ねて、直角にごく細く切ると出来上がり。

 ☆切りおとした太いところ(葉脈)は炒め物や煮物に混ぜて食べてしまいましょう!

 

使い残した時>

 水気がついていると傷みやすいので、フキンできれいに拭取り、

 ビニール袋に入れて冷蔵庫へ。

 温度が高いところに、洗ったもの、切ったものを置くと、菌数が上がりますので、

 そういう扱いのものは、決して生では召し上がらないで下さい。

 お腹が心配です。 そういう場合には、必ず加熱調理をして下さい。



アスパラガス

アスパラガス

 

n         アスパラガス

 旬は4〜6月。

 鮮やかな緑色と歯ざわり、香りを賞味します。

 

お買い物ポイント>

 穂先がしまっており、まっすぐに伸びているのが良い品。

 しなびていたり、切り口が変色しているものは古い品です。

 

 市場に出回っているものは長さ27cmに一定されていますが、

 太さによって、束ねてある帯の色が決められています。

 LLが黄、Lが紫、Mが赤、Sが緑です。

 

栄養ポイント!>

 ビタミンAのとれる緑黄色野菜の仲間です。

 

食べ方のポイント!>

 太いものはサラダに、

 中くらいのものはソテーや天ぷらに、

 細いものは炒め物や和え物にが、食べやすいようです。

 

 根元の方の堅い部分は、皮をピーラーで剥いて調理すると美味しく召し上がれます。

 

 缶詰のアスパラガスは、サラダ・前菜・ポタージュなどに使います。

 缶から出すときには、缶底をあけて、穂先部分が崩れないように頑張って下さい。

 


グリンピース

グリンピース 

■ グリンピース

  エンドウ豆の若い種子で、5〜6月に出回ります。

  炭水化物が多いので、糖尿病の場合には「野菜ではない」と気をつけて下さい。

  (糖尿病交換表の表@、血糖値を上げ易い食材に分類されます)

  

お買い物ポイント>

  サヤに入ったものと剥いてあるものがあります。

  鮮度が落ち易いので必ずサヤに入ったものを求め、ご自分で剥くようにしましょう。

  サヤは青々しているものよりも、やや白っぽいものの方が見入りが良いようですが、

  緑の鮮やかな、傷の無いものが良品です。青々しているものは甘く柔かです。

  豆がゴツゴツと外から見えるようなものは、いくら実入りがよくても、

  成熟しすぎているので、お勧めできません。

   

  冷凍品、缶詰などが一年中出回っていますが、

  生のものの持っている色、香り等の風味は殆どありません。

 

  ですので、冷凍のグリンピースしか食べたことがないと、

  幼い頃の私のように、グリンピースが嫌いな子供になるかもしれません。

  (生のグリンピースのポタージュは、春らしい綺麗なパステル・グリーンです。

   私は、これを作り、飲んで、初めてグリーンピース嫌いが治りました)

 

食べ方のポイント!>

  炊き込み御飯、すり流し汁、煮物、クリームスープ、バター炒め、

  クリーム煮、ポタージュなど、緑の色が鮮やかな事から、和洋中問わず、

  料理の彩りに用いられます。

 

色よく茹でるポイント>

 @サヤから出したら直ぐにさっと洗い、2%のふり塩をし、

  手のひらで転がすようにして塩をすり込み、5〜6分置く。

 Aたっぷりの熱湯に入れ、緑色がさえる位に茹で上げてザルにとり、

  粗熱を扇いで散らし、余熱のあるうちに振り酒をすると、

  緑色が定着します。

 

冷凍品を使うときは>

 冷凍品のグリンピースは、凍ったまま調理すること。

 バター炒めでも、熱湯で茹でる時もです。

 少しでも美味しく召し上がる為には、火を通し過ぎないことがポイントです。



タケノコ

タケノコ

 

■ タケノコ

 普通にタケノコと呼ばれるものは孟宗竹の幼茎で、

 4月の終わりから5月にかけて出回ります。

 これに少し遅れて淡竹、真竹などが出回ります。

 店頭に出回る期間は、ほんの僅かの間で、春の味の代表格です。

 春気分を満喫しながら、独特の風味、歯ざわりを、ご賞味下さいませ。

 

お買い物ポイント>

 太くてずんぐりとしたものが、柔かくて味がよいもので、

 新鮮なものほど、アクが少なく、風味があります。

 掘りたてのものは、アク抜きしなくても食べられるほどです。

 

 皮が乾いていなくて、張りがあり、切り口がみずみずしく、

 爪を立てると水気が滲み出るようなものが新鮮です。

 根元に赤い斑点のあるものは、堅いところがあります。

 

食べ方のポイント>

 和え物、酢の物、煮物、椀種、炊き込みご飯、中華風炒め、サラダなど、

 様々な料理に使えます。

 

タケノコ一本の使い分け>

 タケノコは根元の方は堅く、穂先や姫皮は柔かいので、

 料理によって使い分けることが必要です。

@穂先、姫皮(上から数センチ部分)

 柔かくて香りの良いところなので、椀種、酢の物、茶碗蒸、和え物、サラダに。

A中央部分

 堅すぎず、柔らか過ぎず、味のよい部分なので、煮物、焼き物、揚げ物、

 和え物に。

B根元(下から数センチ部分)

 堅いので、細かく切ったり、すりおろしたりして使います。

 炊き込み御飯、炒め煮など。

 

茹で方のポイント>(皮はつけたまま、茹でます。剥いては駄目です!)

 @余分な上皮2〜3枚を剥がし(剥き過ぎて実が見えてはいけません)、

  上部を斜めに切り落とし、

  斜めの切り口で一番下になった所を先頭に、皮の上から根元にかけて、

  タテに包丁を入れます。(後で皮を一気に剥く為です。皮にだけ包丁を)

  (根元の、点々の一杯ある堅そうな部分は、切り捨ててしまいましょう)

 A鍋にタケノコを入れ、たっぷりかぶるくらいの水と、

  米ぬか20%くらいを入れ、落し蓋をして1時間中火で茹でます。

 B根元に竹串を刺し、すっと通るようになったら火を消し、

  そのまま鍋の中で、茹で汁に漬けたままの状態で、冷まします。

 C水洗いして皮をまとめて剥き、

  (タテの切り口に指を入れると全体がペロッと向けます)

  使うまで水に漬けておきます。

 

使い残した時は>

 たっぷりの水を張って、冷蔵庫に入れ、二日に一度くらい水をかえれば、

 一ヶ月くらいは持ちます。

 長期なら瓶詰めに。

 
クワイ

ワラビ 

■ ワラビ

  早春に出回る山菜で、山の日当りよい場所に出る新芽を摘んだものです。

  旬は3〜5月頃までですが、塩漬けにしたものや、干したものは一年中出回っています。

 

  山菜独自の風味を賞味するには、塩漬や乾燥では、風味が欠けてしまいますので、

  やっぱり「春」に、生を料理して召し上がるのが最上です。

 

お買い物ポイント>

  肉太で、茎がポキンと折れるくらいのものがよく、

  巻きが開いているのは、育ち過ぎで、筋っぽいです。

  

調理ポイント>

 他の山菜同様、アクの強い野菜です。

 必ずアク抜きをしてから、料理して下さい。

 

食べ方のポイント>

 お浸し、煮物、山菜御飯、蕎麦・うどんの具、ナムルなどに。

 煮すぎると香りがなくなり、筋っぽくなるので、さっと煮ることがポイントです。

 

アク抜きポイント>

 茎の堅い部分を切り落とし木灰をふりかけ、熱湯をひたひたにかぶるくらいにかけ、

 落し蓋と重石をして4〜5時間おき、アクを十分に出し、2〜3回水をかえて、

 30分くらい水に晒します。

 

 木灰のないときには、2%の重曹水を煮立てた中で3分くらい茹で、水に晒します。

 

塩漬けのものは>

 塩漬けのものは、アク抜きしてあるものなので、

 そのまま水に漬けて、塩抜きして用います。


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